業界人インタビュー

宣伝担当者インタビュー vol2

第二回は、日本ガラスびん協会の広報委員会委員長の高橋啓市さん(日本山村硝子株式会社)です。業界初のテレビCM展開に踏み切った背景、初めての宣伝業務で分からないことだらけの中、満足のいく作品に仕上がった理由など、伺ってきました!

日本ガラスびん協会 広報委員会委員長 高橋啓市さん  プロフィール

主な経歴
1992年 多摩美術大学立体デザイン科卒業
1995年 日本山村硝子株式会社入社
     ガラスびんのデザインに携わる。
2009年 マーケティング部マーケティング課課長就任。
     同年6月日本ガラスびん協会広報委員会委員長に就任。
★こちらで日本ガラスびん協会のCMが視聴できます。
http://www.glassbottle.org/cm/
主な受賞暦
主な作品

インタビュー


【今江】日本ガラスびん協会さんは、どういう組織ですか?面白いCMにひかれて今日おじゃまさせていただいているのですが、なかなか馴染みがないので。

【高橋】びん底についている「丸正マーク」の管理を目的に発足した、1952年から続く組織です。ガラスびん製品の利用啓発と、情報収集・共有・発信をしています。6社の正会員と10社の準会員で構成されていて、委員会形式で運営しています。わたしは正会員の日本山村硝子の社員で、昨年の6月に日本ガラスびん協会の広報委員長に就任しました。

【今江】これまでCM制作や宣伝業務のご経験があっての就任ですか?

【高橋】まったく初めての経験です。しかも7月からCMを流すことが決まっていて、作りこんでいる中の6月に就任したので、時間はないし、分からないことだらけで大変でした。


【今江】宣伝の担当者の方は、みなさん他部門から異動されてきた方ばかりで、はじめはどうしていいか分からずとまどうものです。高橋さんはどんなことが分からなかったり、難しいと感じましたか?

【高橋】全てですね。制作費が高いのか安いのかなども分かりませんでしたし。でもこの金額で、しかも大和田伸也さんのような一流の俳優さんが出演してくださるということに驚きました。かなりお安くしていただけたのではないかと思います。絵コンテから完成したCMを想像して決定するのはなかなか難しかったです。週1回で1クールだけのオンエアーでしたので、「印象に残ること」をポイントに作っていただきました。作りこみに関しては、素人なので基本はお任せして、違和感を感じるところだけ相談させてもらいました。ちょっとやりすぎかなと思った部分もあったのですが、仕上がってみると実にすばらしい出来で感心しました。あと発信側として何を伝えるべきなのか、メッセージを精査するところが難しかったですね。

【今江】印象に残るように、ということでしたが反響はどうでしたか?効果はありましたか?

【高橋】効果の測定は難しいですが、一定の評価はしています。CMからWebへの誘導をしたところ、これまではほとんどなかった土曜日のアクセス数がぐっと上がりました。何より、CMを流したことで、これまでにない試みということもあり業界内で大きな話題になり、活気が出ました。初トライアルとしては十分な成果を得られたと思います。

【今江】インナープロモーションがうまくいったということですね。TVCMは結構インナープロモーションの効果も大きいものですね。初めての試みで満足度の高いCMを制作できた要因はなんだと思われますか?

【高橋】とにかくこちらは分からないことだらけだったのですが、代理店の担当の方がガラスびんに思いをもっている方だったということも、ひとつ大きな要因だったと思います。コスト的なこともそうですが、制作の部分でも安心してお任せできました。「協会」という特性上、協会会員の方のご意見を調整しなくてはいけませんし、CMに映る商品についても平等に協会会員社のものを使ったりと配慮が必要です。うまく取り入れてくださったと思いますよ。一般の方が見てもどこの会社のガラスびんか分からないとは思いますが(笑)


【今江】代理店がどこかよりも、担当が誰なのかのほうが大きいですからね。熱意のある担当に当たったのはラッキーでしたね。ところで今回CMを作った目的や背景を教えていただけますか?

【高橋】もともとPR活動というと、パンフレットなどの刊行くらいでした。そこから、代理店さんに入ってもらって、「ガラスびんデザインアワード」を設立し、これを軸に新聞や雑誌で広告を展開していたのですが、マンネリしてきたこともあり、代理店さんも含め、見直しをはかることにしました。3社からご提案いただき、その中の1社からテレビCMの提案がありました。テレビCMは全く想定していなかったのですが、予算内で実施できるならということで、踏み切りました。

【今江】ターゲットはどこらへんですか?

【高橋】ターゲットは主婦層です。店頭で購買決定権をもつ主婦層にガラスびんのよさを知ってもらい、びん製品を選択してもらうことで、ガラスびん消費のボトムアップを狙っています。ガラスびんの消費量は1990年をピークに落ちて、今ではピーク時の半分くらいです。

【今江】今後はどんな展開をされる予定ですか?個人的な意見ですが、ビールは缶ビールよりもびんビールのほうが美味しいと思っています。そういう人は多いと思うんですよ。例えばそういうデータを積極的にとってリリースを出したりとか、いろんな手法をミックスしていくといいですよね。

【高橋】来期については検討中ですが、いいCM素材ですしまだリーチが浅いのでもう1、2クール流してもいいかなとも思っています。おっしゃってたような積極的なデータ作りもしていきたいですし、ネット通販にももっと力を入れていきたいですし、やることが盛りだくさんです!

【今江】びんビール愛好者としては、ぜひガラスびん協会さんにがんばっていただいて、びんビールの流通を増やしていただきたいですね(笑)

※3枚目写真は専務理事吉永茂樹様と3人で。

【満木の感想】
毎週土曜日の朝7時半スタートの番組内のみでのオンエアーということで、見たことがないという方も多いかと思いますが、なんともおもしろい作品です。ぜひCMライブラリーでご覧になってください。本家「おしん」を見たことがない方はストーリーを確認してからご覧になるとより深く味わえると思いますよ。いい代理店担当者と出会ったことで初めてながら満足のいくCMを作れたようですが、研鑽し続けていただき、さらに面白い続編を期待したいでです。インタビュー後半は、缶ビールよりもびんビールのほうが美味しいという話でもっぱら盛り上がっていました。気になるので今晩飲み比べてみようと思います♪

                                  (取材・文 満木葉子)


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